前回につづき、“腐らん病” のお話です。
≪関連ブログ≫
2019/03/14★病患部の削り取り作業が始まりました!(腐らん病①) - 思い立ったが吉日!
≪“腐らん病”とは≫
■腐らん病の菌は、胞子を噴出して樹の傷口から侵入する。
■腐らん病になった樹から、胞子を噴出して他の樹へ感染する。
■樹皮を褐変・軟化腐敗させ、病患部が枝や幹を一周すると、その先へ養分が
行き渡らなくなり枯死する。
■腐らん病は、黒い病斑が特徴。
病患部は陥没していたり、ヒビ割れたようになる(下記画像参照)。
■ 初期は黒い病斑が見られず、樹皮の色に変化(赤っぽい色)が現れる。
■腐らん病は、アルコールのようなフルーティーのような独特の香りがする
(昨年に進行した部分は乾燥していて、香りはしない)。
■病気の進行が早く、早期発見・早期治療が最善策だが、治療しても転移して
再発する可能性がある。
≪治療法≫
⇒病患部を 全て削り取り、薬を塗布 する。
⇒腐らん病が広範囲に進行している場合は 切り落とす。
(病患部が枝や幹を一周すると、その先へ養分が行き渡らなくなり
治療しても枯死するため)
≪かかりやすい品種≫
紅玉、ジョナゴールド、王林、つがる、陽光
前回につづき、“腐らん病”の事例です 。
★“腐らん病”を発見!
「樹皮の色が明らかに違っていたので、すぐに気づきました」
★病患部を削り取る
「削り取り:Before①」 「削り取り:After①」
茶色の部分を削り、形成層(黄色い部分)が出るまで削りました。
形成層の下が “薄い茶色” になっているのは、
腐らん病がさらに進行しているため!!
「この茶色い部分が出てこなくなるまで削り取ります」
★病患部の削り取り完了
この部分だけで、なんとかつながっています(削っていない部分:約15㎜)。
健康な部分が20㎜以上残っている状態が理想ですが、薬を塗布して様子をみます。
「もし再発すれば(病患部が一周してしまうので)来年は切ることになります」
★薬を塗布
同じ枝の反対側。
こちら側も、腐らん病が進行しています。
“腐らん病”の特徴である「黒い病斑」がハッキリわかります。
「上記画像の、黄色い丸印部分」
★病患部を削り取る
「削り取り:Before②」 「削り取り:After②」
★薬を塗布
「塗布:Before」 「塗布:After」
同じ樹が2つとして無いように、進行状況もさまざまです。
見つけることができれば、方法さえ知っていれば誰でも治せます。
今回、たくさんの樹を見て・触って・治療しましたが、回数を重ねるごとに
最初は見えなかったものに気付くことができるようになりました。
病患部をいかに早期発見できるかが、とても難しく、重要だと思います。
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