年明けからりんごの剪定作業が始まり、
まずは、紅玉のわい化の樹(約300本)の剪定作業で、基本を徹底的にやりました。
作業A:頂部の三又の枝を1本にする
作業B:“ひこばえ”を切る
作業C:頂部の誘引作業
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2019/01/12★りんごの剪定作業が始まりました!①:三又を1本にする - 思い立ったが吉日!
次のステップは、ふじの若木(10年生)の剪定。
「上の方は、6尺の脚立では厳しい高さ」
基本的なことは、紅玉のわい化の時と同じですが項目が少し増えます
作業A:頂部の三又の枝を1本にする(1本にした先端は主枝のみ先刈りする)
作業B:“ひこばえ”と“胴吹き”を切る
(作業C:頂部の誘引作業)
作業D:“主幹から近い場所に生えている亜主枝”を切る
作業E:“主枝の上側から生えた亜主枝”を切る
作業F:“主枝の下側から生えた亜主枝”を切る
作業G:“樹のバランスを崩す枝”を切る
(1)⇒「7:3」の比率を崩す枝
(2)⇒生えている角度が急な枝
改めて文字にすると「うわ~なにこれ??」って、自分でも思います・・・。
なんか読みたくなくなりますが、画像付きで見るとわかり易い?はずです。
まずは「主幹・主枝・亜主枝」の話から!
≪樹の部位・枝の名称≫
※すべての“主枝”と“亜主枝”に印は付けていません!
・主幹(しゅかん):樹木の支柱となる部分で、その中の最も太い幹のこと
・主枝(しゅし):主幹から直接発生した枝のこと
・亜主枝(あしゅし):主枝から分岐した枝のこと
≪作業A:頂部の三又の枝を1本にする≫
⇒1本にした先端は主枝のみ先刈りする(=頭をとめる)


「先端を先刈り:Before」 「先端を先刈り:After」
三又の枝が複数あるので分かりづらいのですが、三又を1本にするのみ(先刈りしない)


「先端を先刈りしない:Before」 「先端を先刈りしない:After」
≪作業B:“ひこばえ”と“胴吹き(どうぶき)”を切る≫
■ひこばえ:樹木の根元から出る徒長枝(とちょうし)のこと
■胴 吹 き:主幹から伸びる枝のこと
「 “ひこばえ1か所” と “胴吹き3か所” を切る」
≪作業D:“主幹から近い場所に生えている亜主枝”を切る≫
「点線の範囲に生えている枝を切る(のこぎりの長さが目安)」
≪作業E:“主枝の上側から生えた亜主枝”を切る≫
≪作業F:“主枝の下側から生えた亜主枝”を切る≫
≪作業G:“樹のバランスを崩す枝”を切る≫
(1)⇒「7:3」の比率を崩す枝(この比率が理想)
何が「7:3」なのかというと・・・
「 “りんごの葉っぱ” です」
葉脈の太さの関係を「主幹・主枝・亜主枝」に置き換えると・・・


「7:3=主幹:主枝」 「7:3=主枝:亜主枝」
幼木期~若木期は、「りんごの葉っぱ」のように仕立てることが目標です(主幹型)。
※幼木期→5年生以下ぐらい、若木期→6~10年生ぐらい
そうは言っても、樹は二つとして同じものはなく、同じ樹でもそれぞれ枝ぶりが違い、
思う通りに行かないことの方が多いです。
樹は長い年月をかけて作っていくもので、正解も完成もありません。
二つとして同じ樹がないので、すべての剪定が基本であり応用であり、
常に変化していくものだと思います。
三又も「7:3」の比率を崩しています。
1本を残し2本を切るのは、成長に差を付けて「7:3」の比率に近づけるため。


「三又は、同じ時期に成長したので兄弟。比率は等しく1:1」
(2)⇒生えている角度が急な枝
生えている角度が45°より急な場合は、切り落とします。
上記の作業①~⑥を全部キッチリやると、おそらく枝が “棒” になってしまいます。
でも「切る」か「切らない」なら、作業①~⑥は「切る」方がいいものです。
のこぎりとハサミを持っていると、どうしても「切りたくなる」のですが
樹勢が強い樹は、切れば切るほど樹勢がさらに強くなります。
なので、樹を落ち着かせたいならば「切りすぎないこと」です。
そして、剪定の考え方とは逆のように感じますが、切るのは最低限にとどめて
実が成るための “成り枝” を付けさせること。
そのためには「切りすぎないこと」。
※その逆に、樹勢が弱い樹(=元気がない樹)は、強めに(=多めに)切ると
樹の勢いが増します。
はじめは、剪定なのに「切りすぎない」ということが、あまり理解できませんでした。
何本も剪定を進めていくうちに、切るべき枝がわかるようになりドンドン切りたく
なってきました。
言葉で聞いていても最初は理解できませんでしたが
実際に樹と向き合い剪定していくうちに「切りすぎないこと」と
「切るべき枝を今回はあえて切らない」という意味が
理解できるようになりました。
それでもまだまだ、経験不足です。